ドイツ、国会に翻った極右の旗 大統領「民主主義への攻撃」

ドイツ政局
2020/9/1 19:30
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【ベルリン=石川潤】ドイツの首都、ベルリンで極右勢力が国会議事堂への侵入を試み、占拠した外階段付近でドイツ帝国時代の旗を振りかざし気勢を上げる事件があった。ナチス時代に暴力で民主主義を封じられた過去があるドイツ社会に衝撃が広がっている。

国会議事堂前の外階段を占拠し、帝国時代の旗を振りかざすドイツの極右勢力=ロイター

黒、白、赤の3色の旗が8月29日、国会議事堂の正面に翻った。この3色旗はドイツ帝国時代の国旗で、法律で禁止されたナチスのハーケンクロイツ(かぎ十字)に代わって極右勢力に使われることが多い、いわば反民主主義の象徴だ。

シュタインマイヤー大統領は事件を受けて「民主主義の心臓部への耐えがたい攻撃」だと批判した。「嫌悪すべきだというだけでなく、この場所の歴史からみてまったく耐えがたい」と語った。「自由民主主義を守るのは警察だけでなく、社会全体の義務だ」とも述べ、市民に自覚を求めた。

「恥ずべきことだ」(マース外相)。多くの12bet的备用网址家が一斉に批判した今回の事件は、政府のコロナ対策に反対するデモに便乗する形で起きた。この日のベルリン中心部には4万人近くが集まり、政府がコロナ封じのために導入した行動規制などへの反対を訴えていた。

デモに集まった人々がすべて極右というわけではない。だが、そのうち400人程度が国会議事堂に押し寄せ、正面の外階段付近を占拠した。別の場所でも極右勢力と警官隊の衝突があり、300人以上が逮捕された。

デモは当初、感染防止対策が困難という理由で当局から禁じられていたが、直前になって裁判所が条件付きで認めていた。政府も意見の多様性や集会の自由は重要という立場だが、こうした権利が「乱用された」(独政府のザイベルト報道官)とみている。

ドイツ全体でみれば、コロナ対策を進めるメルケル首相の人気が高く、極右への支持は限られている。極右政党、ドイツのための選択肢(AfD)の支持率は10%程度で、4割近い支持を集めるメルケル氏の保守与党に水をあけられている。

ただ、危機が長引いて倒産や失業が増加に向かえば、政府・与党への批判が再び高まりかねない。危機を利用して勢力を拡大してきたのがこれまでの極右の歴史だ。2021年秋の連邦議会選挙に向けて、極右勢力が政府への不満の受け皿となってしまうのが最悪のシナリオといえる。

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