神恵内も寿都も、北海道2町村「核のごみ」スピード決着

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2020/10/2 19:15
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文献調査の請願について審議する神恵内村議会の総務経済委員会(2日、神恵内村、代表撮影)

文献調査の請願について審議する神恵内村議会の総務経済委員会(2日、神恵内村、代表撮影)

北海道神恵内(かもえない)村が高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場誘致につながる「文献調査」への応募を決め、後志振興局管内の寿都(すっつ)町と2町村が同時に調査を受ける構図が固まった。2町村は住民投票などで信を問う予定はなく、北海道との対立も先鋭化しそうだ。

神恵内村では村商工会が応募検討を求める請願を村議会に提出し、この日の総務経済常任委員会で採択された。総務経済委は非公開で、午前10時から約2時間。高橋昌幸村長は終了後の記者会見で「日程は分からないが(文献調査への応募が採択されれば)本会議の終了後にもちろんそう(応募)する」と発言。一方で「私の意見はあるが、議会の判断に影響が出る」として調査の是非についての言及は避けた。

調査は3段階。ボーリング調査などの実地調査を含む次の「概要調査」に入れば、さらに4年で最大70億円の交付金が入る。ただ国が17年に公表した「科学的特性マップ」によると、村内の適地はごく一部12bet交流群に限られている。経済産業省が不適地として候補から除外する可能性は残る。

神恵内村は泊原子力発電所が立地する泊村に隣接し、電源立地12bet交流群対策交付金を受け取っている。賛成派の村議は「国のエネルギー政策に協力する責務がある」と断言する。核のごみへの心理的抵抗が他自治体と比べれば小さく、村商工会が請願を出して3週間程度で応募方針が固まった。

高橋村長は「住民の代表たる議員の皆さんがきちんと議論した」と述べ、住民投票などを否定した。8日に応募を表明する寿都町の片岡春雄町長も住民投票には否定的で、2町村は応募した上で議論を深める構えだ。

2町村のスピード決着により面目をつぶされたのは北海道。鈴木直道知事は2日の定例記者会見で「村長がどのような思いで決断されたかを確認する必要がある」と苦々しげに話した。片岡・寿都町長には9月に直談判して撤回を求めており、高橋・神恵内村長にも近く考えを伝える。

道議会は2日、特定放射性廃棄物処分に関する決議を全会一致で採択した。「(いわゆる『核抜き条例』の)制定趣旨を十分踏まえ、幅広い関係者の間で客観的な根拠に基づく冷静な議論が、透明性の高い形で行われることを求める」とした。

寿都町の片岡町長は2日、日本記者クラブの記者会見にオンラインで参加し「実際に核のごみを受け入れるかは今決めるべきではない」と述べた。第2段階の「概要調査」に進む前には知事に意見表明の機会が認められており、経産省も反対があれば調査を止める意向を伝えている。2町村は長丁場の議論の入り口に立ったにすぎない。

(向野崚)

高橋村長「議論尽くされた」、住民投票は否定
 文献調査への応募を検討するよう求める請願が村議会で採択された後に取材に応じた高橋昌幸村長は「議会の審議に影響を与える」などとして慎重な答弁に終始した。主な一問一答は次の通り。
神恵内村の高橋昌幸村長(2日、神恵内村)

神恵内村の高橋昌幸村長(2日、神恵内村)

 ――応募検討を求める請願が採択されました。
 「議員の皆さんが決意した結果だ。次は本会議に移るので、それを経てからお答えする」
 ――総務経済委は議会のほぼ総意と言えます。いつ応募しますか。
 「最終的な判断は議会。それをしっかりみてからにしたい。まだ本会議の日程も決まっていない。議会の終了後にはもちろんそう(応募)する」
 ――文献調査についてどう考えていますか。
 「私の思いはもちろんあるが、議会の審議が終わった段階で話す。私の意見が議会の審議に影響を与えては困る」
 ――住民説明会では住民投票をすべきだとの意見もありました。
 「考えていない。住民の代表たる議員のみなさんがきちんと議論した。議会で議論して再度、住民の方に意見を聞くのは失礼な気がしている」
 ――村の財政状況や人口減についてどう考えていますか。
 「私が村長に就任する前から非常に厳しい。神恵内に限らず、地方自治体はどこも厳しい。(人口減対策も)なかなか実を結ばない」
 ――住民からは「拙速」との批判もあります。
 「私は理解された方が多いと思う。皆の意見を聞かなければ分からないことだ。賛成の声も結構いただいている。議論は尽くされており、説明が不十分とは感じていない」
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