朝井まかて「秘密の花壇」
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トピック一覧
卯月みゆき 画

朝井まかて「秘密の花壇」(238)[有料会員限定]

10/22

浪人者は宇都宮(うつのみや)藩士の中に教えた弟子がいると言い、それが当時、部屋住みの近習(きんじゅ)であった渥美覚重だった。
鍬との縁を取り持とうと持ちかけられ、馬琴は迷うことなく断った。…続き

卯月みゆき 画

朝井まかて「秘密の花壇」(237)[有料会員限定]

10/21

昼過ぎ、いったん飯田町に帰っていた幸が装いを改めて再訪、その後、馬琴の妹の秀と菊も訪れた。清右衛門も着き、鍬の夫である渥美覚重は先に祝儀の鯛(たい)を届けさせ、本人は薄暮に至ってから現れた。…続き

卯月みゆき 画

朝井まかて「秘密の花壇」(236)[有料会員限定]

10/20

犬塚信乃(いぬづかしの)、犬飼見八(いぬかいけんはち)の二人は険しく聳(そび)えたつ高閣の真下を目がけ、削りなした断崖を二つの米俵のように落ちて行く。…続き

卯月みゆき 画

朝井まかて「秘密の花壇」(235)[有料会員限定]

10/19

「まさか『八犬伝』の執筆をお止めになるなどということは、ありますまいね」
そんなつもりは露ほども持っていなかったが、湧泉堂が…続き

卯月みゆき 画

朝井まかて「秘密の花壇」(234)[有料会員限定]

10/17

窓障子の外が暮れてきて、火鉢に手をかざした。
金糸雀(カナアリヤ)の声を聞きながら火箸を手にし、灰にぶすりと突き刺す。…続き

卯月みゆき 画

朝井まかて「秘密の花壇」(233)[有料会員限定]

10/16

山青堂は畳に這(は)いつくばったままだ。
「実は、板木を手放すことにいたしました」
耳を疑った。…続き

卯月みゆき 画

朝井まかて「秘密の花壇」(232)[有料会員限定]

10/15

それもこれも板元たる山青堂が他事にかまけ、職人らをしかと動かさなかったからだ。
職人は誇りが高い。板元の言うことを聞かぬとは、…続き

卯月みゆき 画

朝井まかて「秘密の花壇」(231)[有料会員限定]

10/14

山青堂はそもそも、手広く商いをする貸本屋世話役で、平林堂の平林庄五郎の推挙があったゆえ信頼し、『八犬伝』の板行を肇輯(じょうしゅう)から任せたのだ。…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(230)[有料会員限定]

10/13

馬琴の書斎は家の北側の四畳半で、続き間の納戸が書物庫だ。三十余年もの間、地獄の釜底かと思うほどの暑さに苦しみながら執筆を続け、ようやく涼やかな場を得た。…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(229)[有料会員限定]

10/12

「金糸雀(カナアリヤ)の後ろが延々と、本箱ですからねえ。すわ、いずこの文人大名のお行列かと、往来で目を丸くするわ、子供らが勝手に後ろから荷車を押すわ、賑(にぎ)やかなことでした」…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(228)[有料会員限定]

10/10

宗伯は己を抑えつけるあまり、躰のどこかに鬱屈が溜(た)まって癇症(かんしょう)になったのではないか。
そう思うと不憫(ふびん)で、…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(227)[有料会員限定]

10/9

「あんなふうで、妻女を迎えることができるんでしょうかねえ」
「何を言う。大名家お出入り医師の筆頭ぞ。近習格(きんじゅかく)ぞ」
脇差(わきざし)を帯びて…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(226)[有料会員限定]

10/8

日々の買物も自身で用を足さねばならず、夜、周囲の目がない時にこっそりと足音を忍ばせて出かけ、瓜(うり)や茄子(なす)を抱えてまた小走りに門内に駈(か)け込まねばならない。…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(225)[有料会員限定]

10/7

夜は神田の家に泊まり、朝、飯田町に帰るという暮らしを馬琴は続けた。
当然のこと、執筆が停滞する。読本『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』の五輯(しゅう)六巻は二月に売り出したものの、これも難が続いた。…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(224)[有料会員限定]

10/6

自らの所業を思い出すたび、亡き母を思うて胸が痛くなる。そんな話まで打ち明け、神田の家には「守忍庵」という号をつけて送り出したのだ。
しかし鍬(くわ)にまた御殿奉公の誘いがあり、…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(223)[有料会員限定]

10/5

馬琴は呼称を多く持つ。
十年ほど前から通称を「蓑笠隠居(さりついんきょ)」と号し、雅号は「著作堂(ちょさどう)」、「曲亭馬琴」は戯作の上での筆名だ。…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(222)[有料会員限定]

10/3

雛(ひな)を手に入れて自ら育て始めれば、これがまたよく懐いて可愛(かわい)いのだ。
指南書を読みつつ巣引きに成功すると、なお面白くなった。元来が凝り性だ。…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(221)[有料会員限定]

10/2

かれこれ十年近くになろうか。馬琴は小鳥を飼うようになった。
猫の福丸が死んで数年後だ。好きで入った戯墨(げぼく)の道とはいえ、筆硯(ひっけん)のために一日たりとも休まぬ日々に…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(220)[有料会員限定]

10/1

文政三年秋、宗伯(そうはく)に僥倖(ぎょうこう)が訪れた。
町医から士分の医師に取り立てられたのである。
大名、松前美作守(まつまえみまさかのかみ)が『八犬伝』の…続き

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朝井まかて「秘密の花壇」(219)[有料会員限定]

9/30

文化十三年九月七日、京伝は没した。
享年五十六である。お百合との間に子は無いままで、養女にして可愛(かわい)がっていた鶴も十年前に病死している。…続き

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